観光でにぎわう奈良市、春日大社の背後には天然記念物の春日山原始林があります。春日山原始林は1200年以上に亘り、人の手が加えられていない神域で、その地に連なるのが、標高500メートルの奈良市田原地区です。田原地区は奈良市中心部から自動車で30分という距離にあり、開発ポテンシャルがあるため、市街化調整区域として多くの開発が抑制されてきました。このため乱開発は起こりませんでしたが、人口減少が甚だしく、高齢化率が50パーセントを超える限界集落です。5年後には耕作放棄地が50ヘクタールを超えるとの試算があり、奈良市人口が35万人というポテンシャルを活かした生活者参加型の農業を進めています。その旗頭がキウイフルーツです。キウイは1反2トンで2万個を生産することから、売り方次第では1反200万円は売上できるものです。キウイを呼び水にして、生活者の参加を得た農産物の分かち合い組織を作ることを目指しています。